八、縁覚界
縁覚界とは、縁に依って悟るという意味です。
この境涯の人は、
仏様の教えを聞くだけでなく、
自分の毎日の生活経験を思い合わせ、
自然界の摂理を通し、
人生の無常を悟り、
意義ある生活を考え、
世間の悪い生活に執着しないように、
精進、努力する人が縁覚界の人です。
仏様はこの縁覚界の人に
十二因縁(じゅうにいんねん)の法門を説き、
仏の境地へと導いたとされています
.....................................................................
【十二因縁】
現実の人生の苦悩の根元を追求し、
その根元を絶つことによって苦悩を滅するための
12の条件を系列化したもの。
仏教の基本的考えの一つ。
① 無明 (無知)
② 行 (潜在的形成力) →【過去二因】
③ 識 (識別作用)
④ 名色 (名称と形態)
⑤ 六処 (眼耳鼻舌身意の6感官)
⑥ 触 (接触)
⑦ 受 (感受作用) →【現在五果】
⑧ 愛 (渇愛・妄執)
⑨ 取 (執着)
⑩ 有 (生存) →【現在三因】
⑪ 生 (生まれること)
⑫ 老死 (生い死にゆくこと) →【未来二果】
苦悩の原因は「無知」にあると悟る。
そのとき苦悩は消滅し、輪廻もなくなる。
◇岩波仏教辞典「十二因縁」より
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お釈迦様が一番悩まれたのは、
死という問題であります。
死んだらなくなる。
そんなことが分かっておって、
どうして暮らせるか。
死という苦しみ、この悩みを
解決しないで生きているのはおかしい。
死のない世界はないのか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この老死の悩みから救われるには、
根本の無明を捨てないといかん。
この無明、煩悩さえなくなれば、
無明によって起こる行がなくなる。
行がなくなれば識がなくなる。
識がなくなれば、名色がなくなる。
名色がなくなれば、六入がなくなり、
六入がなくなれば触がなくなる。
受愛取有生老死もなくなる。
老死の苦しみから救われようと思うならば、
根本の煩悩、無明を捨てよと、
十二因縁を説かれたのであります。
◇引用◇
山田無文著「般若心経」(禅文化研究所)
...................................................................................
最近、仏教臭い記事が続きますが
私が特別仏教に関心があるわけでは
ないのですが、いや、むしろまったく
関心が無いと言ったほうがいいくらいなのですが、
これも知識のひとつということで・・・
あと2回ほどお付き合い下さい。