ひとりの男が
天国と地獄について神様と話をしています。
神様が男に言いました。
「 こちらについて来るがよい。
地獄を見せよう 」
二人が最初に入っていった部屋には
人間たちが煮物の入った大きな鍋を囲んで座っていました。
全員がひどくお腹をすかせ
生きる望みもすっかりなくしたように見えます。
皆、スプーンを鍋に入れては煮物を口に運ぶのですが
スプーンの柄が腕より長くて口に届きません。
その苦しみようと言ったら、それはひどいものでした。
「 さあ、今度は天国を見せよう 」
しばらくすると神様が言いました。
二人がつぎに入っていったのは
先ほどとまったく同じような部屋でした。
煮物の入った鍋
そして柄の長いスプーンがあり、人間たちがいました。
ところが
この部屋の人たちは
お腹もじゅうぶん満たされ
その顔は幸せに輝いていたのです。
「 どうしてなのでしょう? 私にはわかりません 」
とその男は言いました。
「 なぜここにいる人たちはこんなに幸せで
さっきの人たちはあんなに惨めなのでしょう?
条件はまったく同じだというのに!? 」
神様はほほ笑むと
「 それはとても簡単なことだ 」
と言いました。
「 ここにいる者たちは
お互いに食べさせ合うことを学んだのだ。
ただ、それだけの違いなのだよ。 」
地獄にいる人たちは
自分の持っている才能・道具を自分のためだけに
そして
天国の人たちは
自分の持っている才能・道具を相手のために
このちょっとした違いが
手にする結果に、大きな違いをもたらします。
※ 「 こころのチキンスープ〈2〉」(ダイヤモンド社 刊)より
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この本、疲れた心にはとってもいい本です。