楽に生きることを妨げる思考パターン
Aさんの場合、心の中のひとり言を見ていくと、
Bさん(他人)から嫌われることを
過剰に怖れているようにもみえます。
もしかしたらAさんは
「誰からも好かれなければならない」
「人に嫌われるべきではない」
という思い込みを持っているのかもしれません。
このような思い込みが強いと、
人間関係で振り回されてしまいます。
この思い込みが、
「人に好かれるにこしたことはないが、
嫌われることだってある」
という融通の利く考えに変わると、
Aさんは過剰に不安にならなくてすんだわけです。
このように「ひとりごと日記」を書くと、
ひとり言の背後にある自分の思い込みが
見えてきます。
参考までに、思考のクセやパターンのうち、
気をつけたほうがいいものを、
いくつか挙げておきます。
心の中で、次のようなひとり言を
つぶやいているかどうかチェックしてみてください。
1.べき思考、ねばならない思考
・失敗するべきではない
・私の子は私の期待に応えるべきである
・夫は私の味方をしてくれるべきだ
・人に好かれねばならない
等の融通の利かない考え方を持っていると
思いどおりにならない相手に腹が立ったり
思いどおりにならない出来事に混乱して
振り回されます。
2.全か無か思考(オール・オア・ナッシング思考)
物事を見るときに、「○か×か」「白か黒か」
「善か悪か」「良いか悪いか」という、
両極端な見方をしてしまう考え方です。
自分のやった仕事に少しでもミスがあると、
「これではダメだ。失敗だ」と結論付けたりします。
ダイエットをしていた女性が、
ある日、ほんの少しだけ甘いものを食べてしまい、
「ダイエットは失敗だ。これで今までの努力も水の泡だ」
と考えてしまうのも、全か無か思考です。
3.一般化のしすぎ
自分の意見を数人に批判されただけで、
「みんな私の意見を批判している」と、
「一事が万事」式に一般化してしまうクセのことです。
約束の時間になっても相手が来ない時に、
「あの人はいつも私を待たせる」とつぶやくと、
腹が立ってしまいます。
ほんとうはいつもではないかもしれませんね。
4.早まった結論
「どうせうまくいくはずはない」とか
「どうせ相手は私のことを嫌っているに違いない」
などのように、充分な根拠がないまま
結論を急いでしまうものです。
充分な根拠がないのに、
「私の気持ちは、きっと理解してもらってるはずだ」
と結論付けてしまうのも、これに当たります。
5.レッテル貼り
たとえば、ある人に対して「計算高い人」という
レッテルを心の中で貼ってしまうと、
その人の言動のすべてが「計算された言動」に
見えてしまいます。
人はみな、実際は多様な特徴を持っているのですが、
その人にレッテルを貼ると、その人を一つの固定かされた
イメージで見てしまいます。
自分に対して「私はダメ人間だ」などのように
レッテルを貼ってしまう場合もあります。
以上、5つほど挙げてみましたが、
いかがでしたか?
好ましくない感情に支配される時や、
好ましくない行動を取ってしまう時は、
以上のような「心の中のひとりごと」を
している場合が多いのです。
まずは日記を書いて、
「自分自身を知る」ということをやってみて下さい。
■何のために自分を知るのか?
一つだけ意識しておいていただきたいことがあります。
自分を知るのは、自分を責めるためではなく、
まず自分を理解し、自分を受け入れるために
知るのだということです。
自分が見えてくれば、自分の何を
どのように変えていけばいいかということが
明確になってきます。
※出典:「EQ能力を高める最もシンプルで強力な方法」
幸せ成功力コーチ 野口嘉則著より