どうしたら自分を知ることができるのでしょうか?
一番のポイントは、
「自分の無意識の中で起きていることに気づく」
ということです。
無意識の中で起きていることに気づかなければ、
無意識の中に定着しているパターンに振り回されてしまいます。
まずは、無意識の中でおきていたことを
知ることがスタートなのです。
ひとつの例を見てみましょう。
ある主婦(Aさん)の話しです。
ある朝、Aさんはゴミを出しに、
ゴミの収集場所に行きました。
そこでご近所の主婦Bさんに会ったので、
Aさんは「おはようございます」と
挨拶しました。
ところが、Bさんはまるで聞こえていないかのように、
挨拶を返してこなかったのです。
Aさんは、「聞こえなかったのかな?」と思って、
Bさんの目の前に行ってあらためて挨拶しました。
しかし、Bさんは不機嫌な表情でAさんを無視したまま、
去っていったのです。
このことで、Aさんの気持ちは
ひどく混乱しました。
そして、その日Aさんは、
とても不安になったのです。
なぜBさんが挨拶を返してくれなかったのか、
その理由はまったく想像できませんでした。
「何かBさんを怒らせるようなことをしてしまったんだろうか?
何か誤解されるようなことをしてしまったんだろうか?」
考えれば考えるほど、不安はつのりました。
そしてAさんは、その日は外に出ることができませんでした。
Bさんと会うのが怖かったのです。
次の日の朝Aさんは、やはりゴミを出しに行く必要がありましたが
Bさんと会うのが怖くて行けませんでした。
Aさんは、Bさんに無視されたことによって
ひどく不安になってしまったわけです。
そして、Bさんと会うのが怖くなって、
外出するのも躊躇するようになりました。
同じ出来事に出会っても、
Aさんと違う反応をする人もいらっしゃるでしょう。
・「不安になるかもしれないけど、外出できないほどではない」
・「不安になるというより、Bさんに対して腹が立つ」
・「こんなことを、いちいち気にしていられない」
・「Bさんとつきあわなければよいので、特に問題ない」
他にも、いろいろあると思います。
つまり、同じ出来事に出会っても、
人それぞれ捉え方が違うのです。
実は、この「出来事のとらえ方」が重要なのです。
この「出来事のとらえ方」こそ、
無意識の中に定着しているパターンなのです。
人は皆、自分特有のとらえ方のクセを持っていて、
そのとらえ方が、その人特有の感情や行動を
生み出しているのです。
Aさんの場合、Aさん特有のとらえ方が、
過剰な不安や怖れを創り出し、
外出できないという行動を生み出しているのです。
そして、あなたの感情や行動は、
あなたのとらえ方(考え方)のクセが
生み出しているわけです。
では、自分特有のとらえ方のクセを知るには、
どうしたらいいのでしょうか?
続きはまた次回に・・・
※出典:「EQ能力を高める最もシンプルで強力な方法」
幸せ成功力コーチ 野口嘉則著より