かつての欽ちゃんテレビ番組での話です。
欽ちゃんが、15歳のある少年に好きなものを聞きました。
すると、その少年はこう答えたそうです。
「お母さんのつくったおいなりさん」
え?
好きなものが、お母さんのつくった“おいなりさん”
それを聞いた欽ちゃんは、
「大スターがいた、ここに!!!!」と大騒ぎしたそうです。
「お母さんの作った“おいなりさん”」
その答えを聞いて、なぜ、欽ちゃんは、この少年が将来、大スターになると思ったのでしょうか?
欽ちゃんはこう言っています。
「これぐらいの少年に『好きなもの』を聞いたら、普通は食べ物とか、
あるいはタレントの子なら、もしかすると『踊り』って言うかもしれない。
そこへ『お母さん』って出てきたのはドキッってするでしょ。
しかも、そこに『おいなりさん』をさらに一個乗っけたっていうのが並みじゃない。
お母さんが一生懸命おいなりさん作ってる姿を、子どもにきちっと見せてきたんだろうね。
単においなりさんじゃなくて、『お母さんの作った』って限定しているのは。
それから、まだそれほど外に出ていない子どもが、
家の中できちんと好きなものを見つけている、
そのこともまた、とてつもないことだと思う」
6年後、その少年は女性誌の「anan」の好きな男ランキング で1位に選ばれることになります。
少年の名前は木村拓哉。
それから15年連続で第1位を独走します。
欽ちゃんの予言は当りました。
一生懸命おいなりさんを作るお母さんの姿がスター性を育てたのです。
どんなことであれ、
心を込めてすることは、
誰かの心の灯りになるのです。
【お話】たけ 「子育てセラピー」http://www.mag2.com/m/0000273551.html
【出典】「ユーモアで行こう」萩本欽一